
麻賀多神社の御神木
昨年(2020年)の新聞のコピーを整理していて、安倍総理が「緊急事態宣言」を出したのが4月7日夕刻だったことを改めて確認した。5月6日までの期間ということで、なんだか、報道の紙面からはちょっと「嬉しそう」な雰囲気が漂っている。メディアは美味しいネタだと思っていた節があり、当時は、この後がどうなるか分からない国民を不安のどん底に突き落としたわけだ。だが、この騒動でいくつもの業界が苦しめられているが、業界全体でどん底に落ちたのは、もしかしたらマスメディア自身だったかもしれない。当然、保証も保護も一般国民からの同情もなく、大手のメーカーから「これからの広告はすべてデジタルに転換していく」とまで声明を出されては、いく先の道程は真っ暗に違いない。

目黒・大鳥神社
メディアによって破壊された世界
Twitterでバズっていた画像に、(たぶんイギリス人のだったと思うが)「コロナを確実に消滅させる方法」というものがあって、それはテレビをハンマーでめちゃめちゃに壊しているものだった。“いいね”がいっぱい付いていて、今回の問題の根幹がどこにあるのかを世界中の人たちが指摘しているのだろうと思った。いくら従順と言われる日本人でも、そろそろ、この人権を無視した法律の運用には嫌気がさしてくるというものだ。特に小池知事を持ち上げるメディアのやり方には(その理由がわからない分、よけいに)腹が立つ。メディアは神のように振る舞いすぎだ。

麻賀多神社奥宮
神はきっと偉そうにしない
日本には神さまも仏さまもたくさんいらっしゃるが、それぞれの立場で力を振るわれ、日本をつくり人々をつくり、国を豊かにするための方策をさずけ、中には暴れまわって人々を困らせたりもするが、とりあえずは「自分の言うことを聞け!」という神さまはおいでにならない。過去にはそんなことをする為政者もいたが、大抵は悲惨な最期を遂げる──それが日本の歴史である。
日本の神さまのトップにおられるのは、伊勢の神さま・アマテラスとされているが、アマテラスには母神と父神がいて、このイザナミとイザナギがアマテラス他、多くの神々を生み出した。しかしながら、この2神が日本の神さまの最初ではない。

城南宮
神さまのはじめを整理してみた
一番最初、まだ天も地もなく宇宙が混沌としていたころに「別天津神(ことあまつがみ)」の5柱が誕生した。アメノミナカヌシに始まり、天之常立神(あめのとこたちのかみ)で締めくくられる神々だが、古事記にも名前くらいしか出てこない、ぱっと出てすぐに隠れてしまった神たちである。
このあとに登場するのが、「神世七代(かみのよななよ)」と呼ばれる7柱で、この最後、7柱目にイザナギ・イザナミが登場して、国土を作り、数々の神話を残すのである。一方で、イザナギ・イザナミが登場する前の6柱もぱっと出てすぐに隠れてしまう。その最初が、国常立神(くにのとこたちのかみ)という。

木曽・御嶽神社
国の根源神である国常立神
すぐに隠れてしまわれてもその意味は大きくて、大地、つまり地上が永久的に成立したことを意味する神として、国常立神は全国各地に祀られてきた。日本書紀では、天地開闢の際、最初に現れた神が国常立神と書かれている。日本の国にとって、国常立神は根源神と考えられてきたのである。一瞬だけ、現れただけなのだけれども。
何も言わず、何もせず、なのでひとつも神話はないのだが、でも国土は守る──という任務を負わされた神という立場は、私から見るとちょっと理不尽のように思うが、国土安泰、除災招福の神としては第一位であると言える。

日枝神社
都を守護する神として祀られた
そういう理由から、国常立神を祀る社は国の成り立ち、都の守護に重要な役目を担っていることが多い。
たとえば、平安京遷都の際に、都の安寧を願い創建されたとされる京都伏見の「城南宮」、熊野三山のひとつである「熊野速玉大社」(熊野新宮)には、熊野速玉大神、熊野夫須美大神、家津美御子大神の3柱(イザナギ・イザナミ・スサノオとされる)とともに国常立神が祀られる。熊野速玉大社の摂社に「神倉神社」があり、この地でアマテラスからの遣いである八咫烏が初代・神武天皇の道案内をして大和の制圧に助力をしたという逸話も残る。また、神武東征の道筋にあったとされる玉置神社は、各種の伝説が伝わっているが、近年、特にパワースポットとしての注目を集めている。もちろん創建当初から国常立神を主祭神として祀っている。

二宮神社(あきる野)
武蔵国での国常立神はどこに
武蔵国では二宮神社(古くは武蔵国の二宮であったとされる)の主祭神が国常立神であり、江戸城の鬼門の守護を担ったとされる日枝神社も相殿に国常立神が祀られる(主祭神は大山咋神/日枝の神さま)。ヤマトタケルが東征の折、東国平定を祈願したとされる古社中の古社である目黒の大鳥神社は、もともとは国常立尊を祀る社であったことからヤマトタケルが立ち寄ったとされている。今はヤマトタケルが主祭神となってはいるが。
また、御嶽(みたけ)神社の祭神として、基本的には国常立神は祀られていないのだが、木曽の御嶽(おんたけ)神社の主祭神は国常立神で、東京にある大田区と練馬区の御嶽神社も同様である。古い記録が消失しているために理由は定かでないらしいのだが、練馬区の御嶽神社は天皇家と同じ「十六葉八重表菊」の使用が許可されている。

麻賀多神社・参道入口
国常立神を守護神にした岡本天明
このところ、人気急上昇中の国常立神だが、アメノミナカヌシ同様古い文献への登場はないし、神話もない。唯一あるとすれば、昭和になって岡本天明という画家に国常立神が降りてきて、「日月神示(ひつきしんじ)」を自動筆記させたと言われている。この時、日本は敗戦直前の混沌としていた時代で、いくつもの予言と助言があったらしい。今も、この筆記に由来した書籍はたくさん出版されている。
この国常立神が最初に降り、自動筆記された神社というのが、千葉県にある「麻賀多神社」である。境内には推古天皇時代に社を遷座させた折から植えられたと言われる神木があり、「東日本一の大杉」と評されている。麻賀多は勾玉からきていて、祭神は国常立神ではなく、和久産巣日神(わくむすびのかみ)。イザナミの子神さまである。

「天之日月神」を祀る「天之日津久神社」
岡本天明の元へは、戦中、軍人たちも訪れヤバい相談も持ちかけられたらしい。これを国常立神(正確には言葉を伝えた天明)は止めたという。事実は私にはわからないが、国常立神は国の一大事に現れ国を助けたとされてきた神だったのである。
それならば、無理を承知でお願いするが、現状の混沌をなんとか国常立神の力によってクリアにしてはいただけまいか。


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