いろんな「気」をもらいに
私が「三峯」の名前を知ったのは、実は浅草寺の境内である。東京出身ではない私だが、実は浅草寺にはかなり足しげく通っている。理由はよくわからないのだが、たまに東京に出てくる母のお供をしているうち、なんとなく、足が遠のくと、ツキが落ちたような気がするようになってきた。これだから、寺社巡りを始めるとやめられなくなるのだ。そこで、ものすごく真剣に「三峰神社」を拝んでいる女性を何人も見た。ハンパない金額のお賽銭を上げているのを見て、「三峰神社なにものぞ」と思うようになっていった。
オオカミは大神
なので、本家の「三峯神社」は埼玉県秩父市にあるのだけど、私にとっては東京のパワースポットでもあるため今回はお許しを(苦しい言い訳…)。
「三峯神社」は大正時代に秩父宮さま(昭和天皇の弟)が奥宮まで参拝にでかけられた、というニュースとともに爆発的に人気が出たお宮である。もちろんそれまでもいろいろな書物に登場する有名なお社ではあったのだが。
で、最近は「1日」だけに授与される「白い気守り」が大人気で、この日は参拝者の車で付近は大渋滞になるらしい(1日詣りはしたことがないもので…伝聞である)。
三峯神社は、日本武尊がイザナギ・イザナミ(国を造り神々を生んだ男女神)の両神をお祀りして創建した社である。また、紀州・熊野の三山(世界遺産の「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」「熊野那智大社」のこと)の流れを汲む場所だとも言われている。つまり、山岳信仰の権現さまだったのである。
ところが、このお宮はヤマトタケルのご利益の力がどんどん大きくなっていった。
度々、このブログでも書いたが、ヤマトタケルはオオカミを眷属(部下・臣下)としているので、縁の社の狛犬はオオカミがかたどられていることが多い。
ここ三峯神社は、オオカミが「神さま」である。
はるか昔から、「50軒に1匹」という単位で、オオカミの神さまが貸し出されてきた。オオカミさまに守ってもらってきたのは盗賊や災難(特に火事)から。
この50軒の代表者が、三峯神社まで登ってきて、お札(オオカミ)をいただき、地元へ連れて帰る、ということを毎年やってきていた。ここでいただくお札は出入り口に貼っておく。これで町内に大きな厄難は降り掛からないという。
「龍」まで出現したパワースポット
さて、現代でもこのオオカミ(大神)さまは活躍中であるが、今、ブームとなっているのは「気」である。
お宮中に張り巡る「気」もたしかに気持ちがよいが、拝殿横にそびえる2本の御神木から漂う気迫は、この地が普通の土地でないことを改めて教えてくれる。とにかく触ってみてほしい。暖かいのだ。木全体が暖かいわけではない。触ると暖かくなる。
この「気」のせいかどうかは分からないが、2012年に拝殿前に「龍」が出没した。
この「龍」に水を掛け金運を願うとよいのだという。
私は実は、水掛けした瞬間に地震に見舞われ、水掛けしただけに終わってしまった。
なーんにもお願いできず、その上、写真すら撮り忘れた。
まぁ、「余計な欲はかくな!」というお告げをもらったと思っているが、写真を撮り忘れたのはなんとも痛い。
実用的な縁結び
三峯神社には、「えんむすびの木」という有名な縁結びスポットもある。
意外と知られていない強力な場所なので、実は知り合いがこの木で結ばれたようである。それから、倦怠期のご夫婦にもご利益があるようだ。これも知り合いに聞いた。「明治神宮も浅草寺も増上寺も行ったことのない人間が、なんでこんな遠くの三峯神社に来てるんだよー」と突っ込んだら、「気をもらいに」と返された。
クリエイターの人にとって、「ひらめき」や「運気」「やる気」「その気」なんかは必需品なのだそうだ。
分かる気もするけど…遠いだろー。
あぁ、だから浅草寺の境内社にお参りするのかー。
ちなみに、小野照崎神社(台東区)、白鬚神社(東向島)の境内、それから砧と荒川に小さな三峯のお社もあるので、遠すぎて行けない方はこちらでどうぞ。
そういえば実は、この参拝の後、宝くじがあたった。
4等賞で、ほんの少し贅沢な食事ができるくらいだったけれど、
今までの人生の中では、一番高額な当選金だった。
宝くじをあんまり買う方ではないのだが、
やっぱりお礼に行った方がいいかなぁ、写真も撮れてないし。
コメント