第147回「蛇塚」

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女性のためのご利益
「蛇塚」遠景

「蛇塚」遠景

大ブームを巻き起こした金運スポット

年の瀬と言えば、年末ジャンボ宝くじ。
発売は12月19日までで、大晦日に抽選という毎年の恒例行事だ。
まぁ、宝くじをかわない人にとっても自分の「金運」は気になるところだ。
実は、宝くじ祈願で有名な芝大神宮のそばには、昭和に大ブームを起こした有名な金運スポットがある。
実は私も初めて出かけた。
最初は「ムー」の記事、再び注目を集めはじめたのは「出没!アド街ック天国」で紹介されたためだった、らしい。

「蛇塚」

「蛇塚」

きっかけは迷い込んだ「蛇」

そもそもこのスポットは昭和40年代に誕生した。
新宿の居酒屋を営む女将が、店に度々現れる蛇を芝公園の「もみじ谷」に放したところ店が大繁盛した、という話。いろいろ調べたら、「店」ではなく「夢」だったり、「放した」ではなく、死んでいる蛇を見つけて木の根元に「埋めた」という話だったり祠を拝んでいたら、蛇に会ったり抜け殻を見つけたりしただの、いろいろあるのだが、いずれにせよ、今も蛇さまやお地蔵さまが祀られ、たくさんの人が訪れているのだから、ご利益が厚いことは間違いない。
ちなみに、昔は蛇だけに卵がずいぶんお供えに置かれていたらしいのだが、昨今、カラスなどの狼藉が激しく、お供えは禁止になったようだ。

芝公園で迷子にならないように

芝公園といっても広い。
へたに「『もみじ谷』の近くね」などと考えてでかけると蛇塚を見つけられない。
素直に東京タワー前の交差点から入って行った方がいい。一時は、階段の足場も脆くなっていて、補修工事がなされたようだ。今は、随分登りやすくなったが、かえって分かりづらくなった。実は、この蛇塚の蛇さまは、2体ある。
1体は、このお地蔵さまの裏側の祠に鎮座する。実は覗き込むとちゃんと見えるし、写真も撮ったのだが、なんだか、ちょっとアップするのが気がひける…。なので、トップにもう一体の蛇さまを掲載した次第。

もう一体の蛇さまは「心光院」に

トップの写真は、芝公園の蛇塚にいる蛇さまではない。
これは、すぐ近く(東京タワーの駐車場をぬけると行ける)にある心光院というお寺に祀られた蛇さまである。心光院は、増上寺の末寺で、まさに東京タワーの真下にある。
末寺とはいえ、江戸名所図会に紹介されるほどの大寺だったのだ。と、いうのもここに祀られている「竹女如来菩薩」が有名な菩薩さまで、その話を聞きつけた徳川五代将軍綱吉の母・桂昌院が、多大な寄進をしたと伝わっている。
蛇塚とは関係ないが、ちょっと「竹女如来菩薩」を紹介しよう。大伝馬町の名主・佐久間家の使用人、お竹は朝夕の自分の食事を貧しい人に与え、自分は、水盤の隅に網を置いて、洗い流しのご飯が溜ったものを食料にしていた。ある時、羽黒山の僧が「自分は大日如来である」というお竹の夢を見た。慌てて、江戸までお竹さんを探しにくるが、すぐにお竹は亡くなってしまう、というお話。京都の文化センターには、お竹さん関連の遺品や文献、錦絵などが保存されていて、江戸時代はどれほど「お竹如来」がブームだったのかがわかる。お墓などは、お竹さんの生まれ故郷でもあり、大日如来の夢を見た出羽山の正善院にあるが、奉公していた佐久間家の菩提寺が、ここ心光院だったため、如来堂が作られた。また、如来像の前には、お竹さんが使った流し板が祀られている。この話にいたく感動した桂昌院が送ったという立派な箱に入れられて。この話から、このお寺は優れた奉公人を得ることができるとして信心されてきた。

区画整理で埋めた蛇をどうしようかと悩んでいた女将の夢に、再び蛇が現れ、心光院の屋根に昇る姿を見たのだと言う。実は、このお寺はそもそも金運スポットでもあったのだ。
戦災にかかる前のお堂の天井には龍王がとぐろを巻いていたという。失ってしまった龍王が呼び寄せた蛇さまなのかもしれない。そういえば、若くしてなくなった流通ジャーナリストという肩書きを名乗られていた金子哲雄のお墓もここにあるそうです。
お金にキチンとした考えを持つ人に好まれるお寺ということでしょう。
私は…見習いたいと思います!

写真と情報は取材当時のものです。その後改修などが行われ、心光院境内の様子はかなり替わっています。

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