中華街にある異国のお寺

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横浜中華街 金運
横浜中華街

 

今週はちょっとバタバタしておりまして、原稿は遅れるは、まともに取材していないはで。都内ではないのですが、ちょっと毛色の違ったお寺をご紹介してみようかと思います。しかもかなり手抜きですみません…。

 

中華街の今昔

実はこの暑い最中、横浜の中華街に行ってみました。一緒に行った友人は「ずいぶん変わった〜」と言っていました。私はあまりに久しぶりだったので、昔の記憶がほぼなく比較できるベースがないのでなんとも言えませんが、ただ鎌倉のように「食べ歩き」のお店が激増している感じと、そのせいか若い人がとても多かったですね。また、世界情勢のせいか、「台湾人のお店」であることを強くアピールしている店舗が多かったようにも思います。

三国志の関羽を祀る関帝廟

さて、中華街には2つのお寺があります。
ひとつは日本でも有名人である「三国志」の関羽を祀るお寺「関帝廟(かんていびょう)」です。関帝廟では、関羽に加え息子の関平、配下の周倉の3柱が祀られているのが慣わしとなっています。ここ中華街の関帝廟では、加えて地母神と福徳正神(土地神さま)、観音菩薩も祀られています。
関帝廟は中国や台湾に多くあり、アメリカ、カナダにも存在します。華人の商売する場所にはなくてはならない施設なのでしょう。日本には中華街と神戸のチャイナタウン南京町近くの2社があります。
中華街の関帝廟は1871(明治3)年、横浜開港後に来日した中国人たちが関羽像を祀った祠場所に廟を建立したことに始まります。

こちらは神戸にある関帝廟

こちらは神戸にある関帝廟

横浜開港とともに上陸した関羽

関東大震災と世界大戦の戦火により焼失、1986(昭和61)年にの火災もあり現在は4代目の関帝廟になります。建築材のほとんどを中国本土から取り寄せ、中国・台湾人の職人により作られたのだそうです。独特の建築様式や色彩は、異国情緒満載です。ちなみに神戸の関帝廟は1888(明治21)年に創建、現在の建物は1948(昭和23)年に再建されたものですから、横浜中華街の廟の方が先に作られた施設になりますね。

お線香

お線香

怨霊となった関羽?

境内では、線香を買い求めて番号順の香炉に上げて参拝するという形で、日本のお寺や神社とは少し違った作法でのお参りになります。関羽神のご利益は私たちが考えるような武神という面よりも財の神さまという方が強く、一説には帳簿やそろばんを発明したという説もあるようですが、非業の死を遂げた関羽は、怨霊としても後世語られることも多かったようです。神さまになったのは、亡くなってからずいぶん時間が経っていたこともあり、のちの為政者たちにとっては政治的な思惑もあったのかもしれません。

媽祖廟

媽祖廟

海の神さま媽祖は世界中で祀られ

さて、もうひとつは2006年に創建された「媽祖廟(まそびょう)」です。
こちらは海の守護神・媽祖を祀る廟で、中国や台湾、香港・マカオはもちろん、アメリカやタイ、ベトナムなど中華系の人々が住むところには数多くの廟があります。日本にもここ横浜以外にも東京や長崎、沖縄などに複数建立されていて、関帝廟よりも数は多いようです。

媽祖廟の入り口

媽祖廟の入り口

中華街では縁結びのお寺として大人気

ここ中華街の媽祖廟には玉皇上皇(道教の最高神)、月下老人(仲人の神)、註生娘娘(子授けの神)、文昌帝君(学問や科挙を司る神)、臨水夫人(安産の神)、福徳正神が祀られています。
特に、最近では縁結びと金運上昇にご利益があるとして知られるようになり、若い人たちに人気のスポットとなっているようですね。鈴子の感想としては、中国の神さまは実在の人物が多く、長けていた能力にちなんだものとは別の力を発揮する神として祀られているのだなぁと、妙に納得した次第。神話というより、歴史上に(あるいは書物上に)名が残った人たちの神格化ということですね。日本で言えば、菅原道真やおたふくさんみたいな感じでしょうか。

暑い最中の肉まんは選択ミス

暑い最中の肉まんは選択ミス

というわけで、今回は華人の神さまをご紹介しました。
日本人も他の地域へ移植する際、地元の神さまを持っていきました。そんな感じで世界中に中華系の神さまが広まったというわけです。信心(宗教)を認めていない本国ですが、関羽と媽祖は別扱いなのかもしれませんね。そうそう、媽祖廟でも関帝廟でも、おみくじが独特でよく当たると言われています。中華街では占いのお店もたくさんありますしね。やっぱり若い人たちに人気のスポットの理由がこのあたりにあるのでしょう。

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